「あ、先輩!ダメですよ寝たら!」
テンゾウがシャワーを浴び終わって寝室に行くとすでにカカシはベッドの上でうとうとしていた。
「今日は寝ないって約束して、先にシャワー入ったんでしょ。」
「ウーン・・・。寝てない・・寝てない・・。」
そう言いながら布団を顔まで上げてしまうカカシ。
ここ最近1日だけの休みはあいだにあったが、連続した休みはなく、もう2週間以上、テンゾウはカカシに触れていなかった。
カカシは連休でなければ絶対に嫌がる。
やっと訪れた連休なのだ。
シャワーを浴びると、カカシは心も身体もいきなり睡眠準備に突入してあっという間に眠ってしまう為、
テンゾウは、いつも自分が先にシャワーを浴びるようにしていたのだが、
今日は、シャワーをすぐに浴びたいというカカシのおねだり顔に負けて、先に入る事を許してしまっていた。
「もう、起きて下さいって!」
冗談じゃない、何日我慢してると思ってるんだ。
カカシを揺するとテンゾウにそっぽ向けるように、寝返りを打つ。
寝返りをした弾みでカカシの足が布団からはみ出た。
指は細く、忍者というのにマメの一つもないカカシの足。
昔読んだ本に、どこかの国の神話では月を支配してるのは、美の女神だというのがあった。
テンゾウが、いつも月とカカシのイメージを重ねてしまうのは、その本が印象に残っているからかもしれない。
カカシは本当に、美の女神に愛されたように、髪の毛の一本一本から足の先まで美しいと思う。
思ったとたんに、行動をおこし、テンゾウはカカシの足をぺロッと舐めた。
「えっ!?」
途端にカカシが目を覚ます。
「お前、今何かした?って言うか足舐めた?」
「はい。」
テンゾウはにっこりと頷き、更に足の指を甘噛みする。
「おい。何するんだやめろよ。」
「どうして?」
「どうしてって・・・。おかしいだろ・・。足なんて。」
「いつももっと、いろんなとこ舐めてるじゃないですか。」
そう言ってテンゾウは布団の上からカカシの体の中心を指差した。
カカシの色白の頬が赤く染まる。
「もうバカ!、テンゾウの変態」
そういって布団を頭からかぶってしまう。
「そういう仕草が余計そそるって分からないのかなあ。それとも分かってて、
わざと誘ってるんですか、先輩。」
2週間以上も待って、その上カカシは知らん顔で眠ろうとしていたので、
テンゾウはちょっと意地悪な気分になっていた。
カカシが布団から顔を出し反論する。
「違う!今日は何でそんなこと言うの?」
テンゾウはそれには答えず、いきなりカカシの唇を奪った。
カカシがよけようとするのを力ずくで押さえつける。
カカシは元々体力があるわけではなく、天才的なチャクラコントロールでそれをカバーしている。
チャクラを使ってない素の状態では、テンゾウの方が明らかに力は強い。
歯肉をなぞり、舌を絡めるうち、カカシの体から力が抜けていく。
唇から耳へ舌を這わす。耳朶を甘噛みすると、カカシから甘い声が漏れる。
「あっ・・・。ああ・・・。」
その声を聞いた後はもう、テンゾウはただ夢中になった。
テンゾウに激しく抱かれ、カカシはぐったりしている。
汗で額にかかっている銀の髪をテンゾウは優しくかきあげた。
カカシを抱く時はいつも我を忘れる。
結局、この美しい人に支配されてるのは自分だとあらためて思う。
「好きです・・・先輩。」
「・・・知ってるよ。」
当然というように女神が答えた。