緩やかな醸成2
次の日、テンゾウは朝からシーツを洗濯し、念入り
に掃除を済ませた。
遅刻常習のカカシが朝から来るなんてことはまずな
い。更に買い物にも出かけて、料理材料にカカシ用の
着替え、洗面道具、思いついたものを購入する。
一通りの用事を済ませればもうやることもなく、た
だ落ち着きのない時間が流れて行く。
結局夕食の時間になってもカカシは現れず、テンゾ
ウは仕方なく酒の摘みにでもと買っておいた惣菜で、
一人簡単な夕食を済ませた。
普段ならば眠りについてもいいような時間となる。
遅刻を常としているカカシでもこれは遅すぎる、今
日はもう来ないのかもしれない、いや、来るはず、と
諦めきれない気持ちも多分にあり、相反する感情を持
て余しながら、ただ時計を眺めている状況から気分を
変えようとシャワーを浴びた。
湯の音に紛れて叫びたいような気分をようやく抑え、
バスタオルでゴシゴシと頭を拭きながら部屋に戻ると、
慣れ親しんだ気配を感じる。
「先輩」
カカシが、ソファに座っていた。
「勝手に貰ったよ」
カカシの手にはビール缶が握られていた。
「は、ああ、はい、どうぞ」
来て欲しいと願っていたのに、いざ現れるとどうし
ていいのか判らない。テンゾウはなんだかしどろもど
の返事をしながら、とりあえず自分も冷蔵庫からビー
ルを出してカカシの座るソファに近づいた。
そばにくるとカカシの髪が濡れているのが判り、微
かな石鹸の香りがする。
横に座るとカカシの白い項が見えて、もうそこでテ
ンゾウの中の何か、おそらく理性と呼ばれているもの
が弾け飛んだ。
カカシの腕からビールを取り上げてテーブルに置く。
そのまま頬を抑える様に濃厚な口づけを落とす。直ぐ
に舌を入れてカカシの口内を蹂躙する。
ようやく唇を開放しても、更にカカシの体からその
衣服を剥ぎ取って行く。
「テンゾウ・・・」
カカシの戸惑いの声すら欲情を掻き立てる要素にし
かなり得なかった。
カカシの上半身を顕にしたあとは、立ち上がらせて
口づけをしながらベッドへと移動していく。
カカシを端に座らせると、自分の衣服も脱ぎ、カカ
シに覆いかぶさるようにその身を横たえた。再び口づ
けを交わしながら、カカシを全裸にしていく。
後輩の前でその身を晒し、カカシは気恥かしさに横
を向く。
テンゾウは見えた耳たぶを甘噛みし、その項に愛撫
を施す。更には胸の突起にその手を這わしていく。