BNPその4
テンゾウはカカシの両膝を抱えて左右に押し広げる。
この世に生を受けた時、見るものを虜にする呪いをか
けられたかと思う天使の衣を持つ悪魔に魅せられて、
再び硬く立ち上がっている己の楔を、蠢く秘所に突き
立てる。
「ああ・・・・ん・・・」
首筋を仰け反らせ、カカシが受け止める。
抉るように、深く深く突き進む。最奥まで到達する
と、瀬戸際まで引き抜き再び抉りながら押し入る。
カカシがテンゾウの背中に手を回し、杭を突き入れ
られるたびに薄い皮膚をギュッと掴む。
蠢く内壁に締付けられながら挿入する快感と、カカ
シに掴まれた背中から来る痛み、マグマのような嫉妬
心と、溢れる程の愛しさ。精神を壊されるかのような
相反する感情。
いっそこのまま、二人で溶けてしまえばいいの
に・・。
繋がったままカカシに口付ける。舌を絡めながら乳
首を撫で、抓り、押し潰す。カカシのそそり立つ硬い
杭を梳き上げる。
「あっ・・・ああっ・・・」
扇情的に、煽るように、カカシが啼く。乳首を噛む。
「あん・・・テンゾウ・・・もっと・・・もっと・・・」
「・・・もっと、どうしてほしいですか・・・」
激しい息の合間にテンゾウは問う。
「もっと酷く・・・もっと・・・虐めて・・・」
「我が儘な人・・・」
テンゾウは一度離れてカカシを四つん這いにさせ、
みたび楔を突き入れる。
カカシの背中が猫のようにしなやかに仰け反るのを
見つめながら、初めは小さく小刻みに突き、段々とス
トロークを大きく激しくしていく。
「あぅっ・・・ああ・・・」
パンパンと肉を打つ音を部屋に響かせながら突き上
げ、乳首に手を伸ばし、キュッと捻り上げる。床につ
いているカカシの両腕を後ろに引っ張り、無理な体勢
で更に突く。手を解放すると、今度は髪を鷲掴みにし
て後ろを向かせ、深く口内を蹂躙する。
カカシの望む通りに手酷く、欲望を満たすだけの人
形のように彼を扱い、その身体を貪る。
「ああっ・・・・」
熱い情液を放出する時に、カカシの両乳首を強く摘
んだ。その刺激に反応するように、カカシもほぼテン
ゾウと同時に果てる。
縛られ、激しい鞭打ちの後に犯され続けたカカシは、
ぐったりと床に倒れ込む。
テンゾウは肩で息をしながら、座り込んでカカシを
見下ろす。
カカシの白い肌は、鞭打ちから時間が経過し蚯蚓脹
れの部分に皮下出血ができている。
身体をこれほど嬲り啼かせても、その実王座に君臨
しているのは彼で、足元に平伏しているのは自分だ。
ミナトと過ごしたに違いない昨夜の事は結局有耶無
耶となり、不誠実を理由に別れるとなじる事も出来な
い。テンゾウが別れを口にしても、カカシは何もダメ
ージを受けたりしないだろう。また新たな崇拝者を見
つけるだけだ。いとも簡単に。
「テンゾウ・・・今日は激しかったな・・・。流石に
起きられない。手を貸して」
カカシが薄笑いを浮かべて手錠の摩擦痕の残る腕を
空中に差し出す。
テンゾウは近づき、女王陛下に仕える兵士のように
恭しくその腕を取り、そして肩を支えて抱き起こす。
「身体も僕が洗いましょうか?」
テンゾウの問いに、カカシは立ち止まり自ら口付け
てくる。
「愛してるよ、テンゾウ」
何の重みもない彼にとっては礼代わりの挨拶程度の
言葉が、見えない手錠と変化しテンゾウの心を執着の
檻に繋ぐ。
彼の言葉に緊縛され、彼の態度に踏み躙られ、それ
でも離れられぬ己の浅はかさに小さくため息をつきな
がら、女王陛下に仕えるべく、テンゾウはシャワー室
のドアを開けた。
終わり