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憧憬の庭荘

 

 

1ページめ

 

 「・・せい、・・・この子なの・・・?」

「そうだよ・・・。良かったよ助かって・・・。」

「まだ、小さいね・・・。」

「そうだね・・・よく頑張った・・・。起こしちゃいけない、もう行こう・・・。」

「もうちょっと・・・、あ、目開ける!」

「こらこら。看護忍さんにしかられるよ・・・。静かにって言われてたのに・・・。」

「こんにちは。気分はどう・・・?」

「・・・・・」

「喋れないのかな?」

「まだ、ぼうっとしてるんだよ・・・、ほらもう行こう。ごめんね、起こして。もう少しお休み。」

「もうちょっと・・・。」

「ダメダメ・・・行くよ・・・。」

「待って、せんせい・・・」

 

行かないで・・・行かないで・・・声が出なかった・・・・

色の白いお人形のようにきれいな女の子

僕を覗き込んでいたブルーの瞳

君はだれ?どうして僕を見ていたの?

もう一度会いたい・・・。

 

願いが叶いもう一度会えた時、彼女は泣いていた・・・。

金色の髪の男の人と並んで、彼女は泣いていた。

 

「いいんだよ・・・泣いていいんだよ・・・。いっぱいお泣き・・・。」

「先生・・・、どうして・・・どうして・・・父さんが・・・・」

「・・・し、辛いね・・・その答えは・・・今すぐには出ない・・・。

今はただ・・・・我慢しないで泣いて・・・。ねえ、・・・・し。」

 

 

 

セカンド・ラブ

 

「今日からお前は暗部所属だ。過酷な現場だが、お前なら充分やっ

ていける。」

「はい。」

火影の命がおり、僕は14歳で暗部配属となった。

 

木の葉を裏切り抜け忍となった大蛇丸に、実験体として遺伝子操

作をされていた。九尾来襲で命を落とした4代目を含む、木の葉の

精鋭によって助け出されたのは5歳の時。病院に入り,色々検査を

受けた。

 

身体はいずれ回復する。遊びたい盛りの僕は色々イタズラをして

看護忍達を驚かせた。看護忍が僕を和ませようとして置いてくれた

桜の枝を、にょきにょきと大きくさせたり、怒られた時、自分で木

の小屋を病室内に作り、その中に入って出て行かなかったり。

僕の能力に驚愕した木の葉の上層部はさらに精密検査を施し、僕

は木の葉の創設者、初代火影しか扱えぬ木遁忍術を使える事が判明

した。

大蛇丸に植え込まれた遺伝子の結果だった。

 

高度な秘術の為、木の葉上層部の意向により、その技が確かなも

のとなるまで、正規部隊の師は持たず、ずっと火影直轄で忍術を磨

いてきた。

中忍試験、上忍審査も火影直轄として推薦され通過してきた。そ

して今日、暗部配属が正式に決まったのだ。

 

僕は張り切っていた。というのも、やっと自分がいるべき場所が

見つかったような気がしたからだ。すっと木の葉の施設で暮らして

来たがそれは仮の宿だという思いが常にあった。火影は僕に優しか

ったが、里の民への愛情であり、僕だけが特別ではない。

ずっと自立したいと思っていた。その為過酷な修行にも耐えてき

た。

暗部がどんなに過酷であっても、僕は大丈夫。お前なら、充分に

やっていけると火影様にも言われたが、僕自身、そう思っていた。

僕なら大丈夫。充分にやっていけると。

 

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