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宴の庭荘

 

<CRP>その3

 

テンゾウの医者としての評判はすこぶるいい。

腕は確かで、優しい先生だといわれている。

以前、カカシが担当している子供の祖母が骨折し、

整形のテンゾウ先生に診てもらって、優しく丁寧で

手術も成功しとても良かったと、孫を見舞いに来て

病室で話している所に居合わせたことがある。

 

ねえ、おばあちゃん、優しいテンゾウ先生は仮の姿だよ。

ほんとのこいつはね、こんな怖い顔して俺を縛り付けて、

無体な事、平気でしようとしてる・・・。そう、こいつは・・・。

「変態。」

「浮気者。」

「キスなんて、海外じゃ挨拶だよ。」

「ここは日本だし、海外でも口にはしないでしょ。」

「口にしたとは言ってないだろ。」

「でもしましたよね。」

「そ・・・それは・・・。」

「全く、嘘がつけない人ですね。」

 

話しながらもテンゾウは手の動きを止めない。

必要な物を揃えると、両手に滅菌手袋をはめる。

手袋をした手で、ネラトンカテーテルを取り出し、

筒状になっているカテーテルの一方を団子状に結ぶ。

そうして、カカシのオスを掴み上向かせ、その先端の

鈴口を消毒液が浸された綿球で押し広げるように

消毒し、局所麻酔のゼリーを垂らす。

 

「あ・・・。」

テンゾウに触れられると、それだけで身体の奥が熱を持つ。

そんなカカシの変化をテンゾウは見逃さない。

「あなたは欲望に正直すぎるから、少し我慢を覚えた方がいい。」

そう言って、一方を団子状に結んだカテーテルの

結んでいない方を、局所麻酔のゼリーと絡めるようにしながら

ゆっくりとカカシの鈴口へと挿入する。

「やだ・・・。痛いよ・・・。」

「暴れたらもっと痛いですよ。力抜いて。」

「暴れようがないだろ・・・縛り付けてるくせに・・・ああ・・・。」

 

初めて挿入されたカテーテルのツンとする痛み。

でも、雄の芯をテンゾウに握られている事に感じてしまう。

テンゾウから与えられる責め苦ならば、このカテーテルの痛みも

いつか快感へと変化するだろうと、カカシは密かに思う。

息を吐き、同時に与えられる痛みと快感をやり過ごす。

「酷い・・・。」

「どっちが。」

 

テンゾウは、カテーテルを団子状に結んでいる所が

その鈴口付近に来るまで挿入した。

その時、カカシの白衣胸ポケットのPHSが鳴る。

「きっと病棟ナースからだ。結果が出たんだよ。

PHS(ピッチ)に出ないと、テンゾウ・・・これ解いて。」

両手をベッドに縛り付けられているカカシが言う。

テンゾウは慌てず、カカシのポケットからPHSを取り出し、

左手でカカシの耳に当てた。

 

カカシは仕方なく、縛られたままPHSに意識を集中する。

「はい、畑です。ユミちゃんの結果出た?CRPは?・・・うわ・・。」

テンゾウが左手でカカシの耳にPHSを当てながら、

右手でカカシの蕾付近を、円を描くように撫で上げる。

「いや、なんでもない。そう、マイナス?良かった。

それで、ロイコ(白血球)は?・・・う・・・。」

テンゾウが今度は、中指をカカシの蕾に挿入する。

カカシは声を必死に堪えながら、テンゾウを睨みつけるが

テンゾウは変わりない表情で、内壁をくるりとかき回す。

 

「・・・7900、問題ないね。じゃあ外出は許可で・・・。

あ・・・・いや、あのマスク着用厳守で・・・う、うんそう。

妹さんのお遊戯の出番だけだからね・・・。」

カカシがPHSに向かって話している間に、テンゾウは

さらにカカシの蕾に挿入する指を増やす。

2本で押し広げ、さらに3本めを入れる。

カカシは必死に冷静さを保っているが、その目じりに涙が滲む。

 

「あ、うんカルテね、書きに行く・・・。ちょっと用事済ませてから。

じゃ、ユミちゃんのお母さんに伝えて。よ、よろしく。」

テンゾウが右の3本の指をカカシの蕾に挿入したまま、

左手でPHSの受話をオフにし、カカシの胸ポケットになおした。

「このバカ!!」

カカシはさすがに許せなく、テンゾウを罵倒する。

「人がしゃべってるのに、お前は何を・・・ああ・・・。うう・・・。」

テンゾウは内壁をかき回していた指を1本に減らし、今度は

知りぬいたカカシの一番いいところをこすり上げる。

「はあ、ああ・・・・テンゾウ・・・。」

カカシのオスが見る間に硬く芯を持ち、カテーテルを挿入したまま

立ち上がる。テンゾウはさらに空いた左手で、カカシの上着をめくる。

すでにそうされる事を待ちわびるかのように、

ぴんと立ち上がっている小さな突起を摘み上げた。

 

白衣を着たままその両手をベッドに括り付けられ、

恥かしい部分だけを曝されて、オスにはカテーテルを

入れられている。そんな姿で、カカシはテンゾウから

愛撫を受ける。カカシの敏感な部分を知り尽くした

テンゾウの愛撫。全身が火照り先走りが溢れてくるのに、

それなのに、カテーテルの先端が括られていて、

カカシの欲望は、放出を許されない。

 

「テンゾウ・・・抜いて・・・。辛い・・・。」

耳を噛み、首筋を舐め、乳首を押しつぶし

また摘み上げ、テンゾウからも垂らされる快感は

カカシから羞恥と理性を奪う。

「テンゾウ・・・ああ入れて、入れて・・・。」

「抜いてほしいんですか、入れてほしいんですか。どっちです?」

「バカ!判るだろう・・・入れて欲しいのはお前の・・・、

ああ・・管抜いて・・・テンゾウの・・・入れて。」

 

蓋をするみたいに挿入されたカテーテルの淵から、

それでも押さえきれぬ先走りが滲み出している。

両腕をベッドに縛られた白衣のカカシ。その白い肌は上気し

乳首は弄られて紅く立ち上がり、目に涙を浮かべながら

入れてと要求する。自分が強いた事とは言え、

その壮絶なカカシの痴態に、テンゾウも限界を感じる。

押し入り、突き上げ、むちゃくちゃにかき回したい。

雄としての本能が、テンゾウを支配する。

 

ベッドに乗り上げ、カカシの両膝を折り曲げる。

さんざん指で押し広げた蕾に自身を突き入れ、そのまま

一気に奥まで進む。

「ああ・・・・。」

カカシが仰け反る。突き上げるとすぐに先端近くまで引き出し

また押し入り、さらに突き上げ、引き出し、本能のままに

かき回す。両腕を縛られ、テンゾウの思うがままに

カカシは突き上げられる。

絶頂を迎える時、テンゾウはようやく

カカシの射精を止める戒めのカテーテルを引き抜き、

そして自身の熱く滾る欲望をカカシの中に放出した。

 

 

呼吸が整うと、テンゾウはカカシの中をかき出し、

カカシが放出したものも全て綺麗にふき取り、そして

ベッドに括り付けたカカシの腕を解く。

「ハア・・手だるい・・・。」

カカシは血流を取り戻すように腕を振った。

 

「俺、カルテ書いてくるよ。外出許可の。

お前はここ片付けるでしょ。一緒に帰ろう。

30分後にタイムカードのところで待ち合わせ、な。」

カカシは明るくテンゾウに言う。

「判りましたけど、僕はまだ謝ってもらってませんよ。」

「そうだっけ?」

「夜景見てただけとか、キスは挨拶だとか、言い訳しか聞いてません。」

 

カカシはすでにドアの所へ向かっていたが、

テンゾウの言葉に立ち止まり、振り向いて返答する。

「あのさあ、縛られるのってたまにはいいな。

ねえ、今度は後ろ手に縛って。もっときつくてもいい。」

 

若いナースが畑先生と出会うとつい二度見をしてしまう、

という話をしているのを聞いた事がある。

通り過ぎても、また振り返って見たくなるその端整な顔立ち。

見るものを虜にする美しい微笑を残し、カカシは

テンゾウになんら謝る言葉を口にせず、小児科病棟へ歩き出す。

 

テンゾウは金縛りにあったように言葉を紡ぐ事も出来ず

『後ろ手に縛って、もっときつく』

というカカシの言葉がこだまし、放出したばかりの身体が、

簡単に熱くなる。

 

数分後ようやくテンゾウは動き出し、窓を開ける。

夜風がテンゾウの上気した頬を掠めて冷やしながら、

部屋に入り込む。部屋に残る青臭い匂いも消し去ってくれる。

 

 テンゾウは窓枠にもたれ、佇む。

カカシの前にちらつく波風教授の存在は、心に

常に棘のように突き刺さり、痛みを伴ったままテンゾウの

炎症反応のトリガーとなり続ける。

教授への思慕を持ち続けるカカシに心の全てを捉われ、

縛られて括りつけられているのは自分のほうなのだ。

カカシの言葉一つで簡単に熱くなる、そんな自分を自嘲する。

 

テンゾウは今日何度目かの溜め息をついて、方付けをする。

最後にあたりを見回し、情事の痕跡を残していない事を確認し、

窓を閉めドアを施錠し外来を後にする。

ポケットに、今夜カカシを後ろ手に縛る弾力包帯を忍ばせて。

 

                          終わり