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綾なす想い
Chapter5（野原リンの日記）
3月16日
やったあ！
カカシと一緒に高校合格！！
めちゃくちゃ頑張ったもんね。カカシは余裕だったけ
ど、私は先生からもだいぶ危ないって言われてたし。
パパとママにも心配かけたけど、どうしてもカカシと
同じところに行きたかった。塾代とか迷惑かけたな。
パパ、ママありがとう。
オビトにもメールしたら、既にカカシからメール入っ
て知ってた。カカシったらオビトに連絡するの早っ！
私だって、家に電話した後、すぐにメールしたのに。
5月16日
やれやれ、やっと高校初めての中間試験終わったあ〜。
日記も一週間ぶり。
やっぱ無理して入ったから勉強のレベル高いよ・・・。
カカシは多少は出来たって言ってたけど、あいつが多
少っていう時はほぼ完璧に出来てるんだよね。
相変わらず適当に生きてるみたいな感じなのに、いつ
勉強してるんだろ。
でもま、そんなとこがかっこいいんだけど。
6月19日
夏風邪もやっとマシになってきた。昨日は38度もあっ
て仕方なく休んだけど、今日は頑張って学校行った。2
日もカカシに会えないのは嫌だし。
昨日の授業分のノート、カカシに借りたけど、整理さ
れてて判りやすい。普段からああいうノートの付け方
してるから、試験でも慌てないのかな。
オビトにメールしたら、あいつは才能だけじゃない努
力も惜しまない奴だって。何そのカカシ自慢。
そんなこと私のほうがよく知ってるっつうの。
７月９日
やっと期末終わって開放感に浸っていたら、帰りに2
年女子に因縁つけられてびっくり。
「あんた、はたけカカシと付き合ってるの？違うなら
ウロチョロしないでくれる？」
だって。
始めは怖かったけど、段々腹がたってきた。
多分カカシに振られたんだとは想像つくけど、こっち
はね、小学校入った時からの幼馴染で、そしてその時
から片思いしてるんだから。年季が違う！
「私は超仲良しの幼馴染だから。私に余計なこと言っ
てると、カカシが黙ってないですよ、先輩」
って言ってやった。
幼馴染じゃなくて彼女だって言えないところが淋しい
けどね。
７月23日
今日、終業式後に隣の青葉君に呼び出されて告白さ
れた。いい人みたいで、真面目に私のこと思ってくれ
てるんだろうけど、私はやっぱりカカシが好き。
そのカカシもまたどこかの誰かに呼び出されてた。
私に因縁つけた先輩含めて、入学してから何人に告白
されてるんだろう。
７月に入って特に多いよね。
そりゃ、夏休み前に恋人を作りたい皆の気持ちもわか
るけど、カカシはモテすぎ。
特定の彼女を作らないからだよ。
だから私も諦められない。
７月31日
今日はライドウとアンコとカカシと私で海に行った。
アンコもカカシが好きなんだよね。ライドウはアンコ
が好きなのに。
ほんと、うまくいかない。
カカシは皆に愛想よくて優しくて、人気者だけど、ど
こかいつも掴みきれない。本当の気持ちは見せない。
オビトみたいに天然で明るくて、感情ダダ漏れなら分
かりやすいのに。
いつも好きな人がいるって断っているらしいけど、そ
してみんなはそれが私なんだろうって勘違いしてるけ
ど、私じゃないことは悲しいくらいに分かってる。
私は小学校の時から何度も何度も言ってるもの。
その度に、俺にリンはもったいないよって、もっと他
にふさわしい奴がいるだろうって、断られる。
好きな人って誰って聞いても、絶対答えない。
ねえ、カカシ。カカシが好きな人って誰なの？