綾なす想い
Chapter18(野原リンの日記)
2月13日
ママにも随分手伝ってもらって、友チョコ完成。
ほんとはカカシへの本気チョコに一番気合い入れたい
けど、あいつは甘いもの好きじゃないからなあ。それ
が困っちゃう。仕方ないからカカシにはビターな一口
サイズのハートチョコ1つ。とっても簡単。
だってカカシは優しいから、私が渡したものは食べて
くれる。たくさんあげても、嫌いなものを無理に食べ
させることになるだけだもんね。
カカシへの本気プレゼントは12月から編んでいたマフ
ラー。これは喜んでくれるかな。
2月14日
カカシはやっぱり私のチョコを食べてくれた。他にも
いっぱい貰っていたけど、いつも私の分だけはその場
で食べてくれる。食べないで始末したりしてないよ、
って証拠にね。
マフラーも喜んで巻いてくれたな。
でもカカシの心は今年も掴めない。カカシの心はオビ
トに向いている。
私は両方の気持ちを知っている。私が一言、あなたた
ちは両思いだよっていえば、二人はうまくいくんだ。
本当はどうすればいいんだろう。
3月14日
今日、カカシがホワイトデーにお返しをくれた。可愛
い日記帳。私が日記を書いていることを知っているか
ら、選んでくれたんだよね。ほんとに嬉しい。
バレンタイデーの後、思い切ってママに相談した。二
人は両思いなのに、それを黙っていていいのかって。
ママは男の子同士ってところにとても驚いていたけど、
アドバイスしてくれた。
「オビト君はカカシ君を好きな気持ちをリンが知って
いるのに、だからリンに遠慮する必要はないのに、ど
うして今もカカシ君に告白しないのかしら」
「え?」
「日本にすらいないのだから、早く告白しないとリン
でなくても他の誰かにとられちゃうかもしれないでし
ょ。ママはオビト君がカカシ君に告白するタイミング
を、選んでいるんじゃないかと思う。つまりね、それ
がどんな時なのかはオビト君じゃないからわからない
けど、きっと今じゃないのよ」
言われて納得した。私が出しゃばらなくても、二人の
気持ちが続いていれば、いつかどちらかが告白する。
今は二人ともそのタイミングではないのだろう。
だから私も努力する。カカシにふさわしい女の子にな
って、カカシを振り向かせる。正々堂々と勝負っての
は、そういうことだよねオビト。
そして二人がいつかお互いの気持ちに気づいて両思い
になったとしたら、その時に後悔なんてしたくない。
だから今は精一杯頑張る。努力してそれでもカカシが
オビトを選んだとしたら、その時はちゃんと祝福して
あげるんだ。
3月22日
明日は三学期の終業式。
色々あったなあ。でもとにかく頑張って頑張ってカカ
シと同じ高校に入れたこと、それは本当に嬉しかった
し胸を張れる。だからこそ毎日カカシに会えるんだか
ら。
オビトにも会いたいな。でも向こうは春休みがないん
だよね。
6月には学期が終わるらしいから、せめて夏休みは会
いたい。また三人で話したり遊びたい。私はカカシが
大好きだけど、オビトのことも大好きだから。