[PR]城下町川越 綾なす想い

螺旋の庭荘

 

 

綾なす想い

 

 

Chapter9

 

 

「うっ・・・」

 

 オビトが緩々とした動きで律動を始める。押し広げ

られている痛みと、引き抜かれる時の内壁をえぐられ

るような感覚にカカシは耐える。

 

 段々とオビトの動きが加速される。

 

「あ・・・・ああ・・・・」

 

 堪えようのない小さな呻きを上げながら、カカシの

両手は身体の左右のシーツを掴んでいる。

 

「背中に回せよ」

 

「え?」

 

何を言われたのか一瞬判らずカカシがオビトを見つ

める。

 

オビトが動きをやめてカカシの腕を取り、自分の背

中に回させた。そうして抽挿を再開する。

 

戸惑う間もなく再び秘所を貫く楔に、カカシは促さ

れたままオビトの背中に手を回し縋り付く。オビトに

密着するその姿勢は、秘めていた想いをより深める。

カカシの中にあった苦痛や羞恥、焦燥といった負の

感覚と感情が浄化されていく。

 辛いのに、愛しく想っていた人との融合に嬉しさが

優る。

 

 オビトの動きが大きく早くなる。肉打つ音が部屋に

響く。

 

「あ・・・・ああ・・・・」

 

 カカシは仰け反りながら耐える。オビト、オビト、

ずっとずっと好きだった。

 

「ああっ!・・・」

 

 オビト、ずっとそばにいたかった。

 

 微かな呻きを上げて、オビトがカカシの中で果てた。 

フーっと小さく息を吐き、オビトはカカシから離れる。

 

 貫かれていた痛みからは解放されたというのに、カ

カシはその両腕を背中に回して抱きしめていたオビト

の身体が離れた事に、寂寥感を憶える。

 

 オビトが好きなのだという封印してきた想いを再び

封印せねばならない。忘れようと努力してきた年月分

の鉛を心に打ち込まれたようで、関係を持つ前より一

層辛い。

 

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