Winter color
20章
サスケによって昂ぶらされていく。
「あ・・・んん・・・」
心は嫌悪感で満ちている。なのに、触れられれば男
の体は反応してしまう。生理現象と理解していても、
その心身の乖離が辛くて、カカシは唇を噛み締める。
カカシのものが自分の手によって反応している。そ
のことがサスケの心に一層の興奮を呼び覚ます。
独占したかった。
兄は優秀だ。それは分かっていても、兄ばかりを褒
める父を見るのは嫌だった。だからこそ見ず知らの出
版社に就職した自分。編集長や周囲に呆れられた一般
常識の無知ぶりを笑いながら受け止めて、穏やかに正
してくれた上司。
好きだった。
でも同性という壁は大きい。
自分は諦めたのに、どうして男と付き合っているん
だ。ならば引きたくはなかった。どうして・・・どう
していつも欲しいものが手に入らない。
父から褒められたかった。
兄と対等になりたかった。
カカシを手に入れたかった。
心が得られないのなら、その身体に自分という存在
を刻み付ける。
カカシのものがサスケの手によって反応を見せ始め
た。
「あいつのことを考えていてもいいから、俺と一緒に
いこうカカシ」
サスケはそう囁くと、今度はカカシの両足首を掴み、
ぐっと左右へ押し広げる。
「ここはどうせ使い慣れているんだろう?」
サスケがカカシの秘部をくるりと撫で付けた。
羞恥と怒りで、カカシは顔を背ける。掴まれている
足を振り払いたいが、スタンガンの影響で思うように
動かせない。
ぶっきらぼうで世間知らずではあったが、聡明な青
年にカカシは好印象を抱いていた。
この行為には嫌悪感が沸き起こるが、サスケ本人を
心から嫌いにはなれない。間違った独占欲を正せてや
れない今の自分がもどかしい。
サスケはベッドサイドボードからローションを手に
取り、自分の指とカカシの秘部に絡める。そうして指
をカカシの中に捻じ入れた。
「う・・・」
サスケの行為から快感が得られない。カカシは心身
の苦痛に小さく呻く。
テンゾウとは違う乱暴さで、サスケの指はカカシの
中を押し広げていく。
「入れるぞ」
サスケはそう言うと、カカシの両膝を左右に押し広
げながら腹部につくほどに曲げる。そうして自分の杭
をカカシの中に押し入れた。
「うああ・・・」
「カカシ・・・カカシ・・・力抜いて・・・」
サスケは余裕なくカカシの中を突き進む。感情のま
ま、想いのまま、そうしなければ、躊躇していればこ
んなことは出来ない。
ぐっと最奥まで突き進むと、カカシが辛そうに仰け
反った。
ためらいは計画した時から置いてきているのだ。サ
スケは直ぐに動きを加える。
「あ・・・あああ・・・」
乱暴な挿入が辛い。
スタンガンの痺れが取れない足が辛い。
縛られている両腕が辛い。
「サスケ・・サスケ・・・頼む」
カカシの中を行き来していたサスケが一瞬止まる。
「何だ?」
「頼むから・・・せめて手をとってくれ」
サスケは無言でカカシを見つめる。
「鎖でどうせ逃げられない。サスケ、頼む」
両腕を自由にして、カカシに反撃される可能性もあ
ることをサスケは考える。
自分の下に組み敷かれているカカシは、苦痛の表情
を浮かべてなお美しい。
白い肌に自分が刻みつけた痕を散らばせて、一層艶
かしい。
好きだという感情が溢れる。
杭をカカシの中に入れたまま、麻縄を解きその腕を
開放した。
「ありがとう・・・」
抜けないようにきつく縛った両腕に残る麻縄の痕が
カカシの辛さを表しており、微かに胸がチクリとする。
殴られるかもしれないと覚悟をしていたのに、礼をい
うカカシが愛しい。
サスケはカカシの腕を自分の背に回すように誘導し、
再び身体をぐっと奥に沈める。
「あ・・・んん・・・・」
抽送を繰り返すたびに、背中のカカシの指に力が入
る。
「カカシ・・・・」
身を乗り出し口づけをする。
仰け反る胸の乳首を甘噛みする。
カカシが好きだ。
サスケは動きを加速させる。
「ああ・・・」
カカシの目から涙が溢れる。その涙がよりサスケの
感情を増幅させる。
苦痛や嫌悪でもいい。そんな負の感情でもいいから、
自分という存在をカカシに刻み付けるのだ。
カカシの中心にも手を添え、梳きながらサスケは体
力の限りカカシの中を行き来する。
「カカシ・・・カカシ・・・」
サスケはカカシの最奥を突き上げ、ぐっとねじ込む
ようにして、自分の精を放った。