C1インヒビター活性

宴の庭荘

 

 

<C1INH活性>その2

 

 

 カカシはテンゾウが座るソファに近付き、上着

をポンと投げた。

 

「いつ来たの」

 

 何気ない態度で、いつもと変わらない口調で、

カカシは微笑む。

 

 テンゾウは黙ってカカシの腕を取り、自分に近

づけて口づけしようとした。カカシがさっと身を

引く

 

「酒臭いよきっと、先に歯磨きしてくる。ついで

にシャワーも」

 

 テンゾウの腕から逃れ、カカシは洗面所に向か

った。

 

 

 テンゾウの耳に、カカシが歯磨きをしている音

が聞こえる。

どんな反応をするのだろうか・・・、数分前に

他の男と口づけをしたカカシは、自分がキスを求

めれば、どう反応するのだろうかと・・・嫉妬に

燃えた心で確かめた。

さっと逃げた行為は自分に気を使っているの

だろうか。

他の男とキスをした唇。テンゾウのキスをかわ

し、すぐに歯磨きをしているカカシ。

 

 気を使っているとしても、恋人が来ているかも

しれない自宅マンションの前で、他の男とキスを

するカカシのその態度が許せることではない。し

かも相手は波風教授ではないのだ。波風教授であ

っても、深く自分は傷ついただろうが、それでも、

カカシにとって尊敬すべき対象なのだという大義

名分がある。

 では、イルカ医師は?立場として、さしてテン

ゾウと変わることはない。だったらそれは、浮気

というものか・・・。

いや、そもそもカカシにとって自分は恋人なの

か?合鍵を持つ身でありながら、自由に振舞うカ

カシに翻弄され、想いはまるで一方通行なのでは

ないかと、心をかき乱される。

 

 

 カカシは洗面所で歯磨きを終え、そのままシャ

ワールームに入る。なんとなく、イルカが自分に

好意を寄せている事は気づいていた。ただ、今日

のようにはっきりと言われたのは初めてだ。

身体中にシャワーの滴を受けながら、カカシは

先程の光景を思い返す。

 

好きですと、付き合ってほしいと、真剣に言わ

れた。

いるかはほとんど飲んでいなかった。酒の勢い

というのでもないのだろう。いや、今日こそは告

白すると意気込んでいたのかもしれない。

 

 断っても、手を振りほどいても、追いかけて来

るその必死さと今日は自分の患者の母親を緊急に

診てもらったという事実が、無下に断るのも申し

訳ないような気がして、強く押し返せずについ、

口づけを許してしまった。

 カカシがイルカの影を追い払うかのように頭か

らシャワーを浴び、犬のように首をプルプル振っ

た時背後のドアの開く音がし、振りかえる前に後

ろから抱きしめられた。

 

 

 背後からカカシを抱きしめたテンゾウはシャワ

ーの湯の中、カカシの項に口づけながら、両手で

乳首を摘みあげる。

 

「あ・・・・ちょっと、テンゾウ・・・。何だよ、

一緒に浴びるのか?」

 

「僕はシャワーは家で浴びてきました」

 

「じゃあ、ちょっと待ってよ。すぐ出るから・・・」

 

 カカシが言うも、テンゾウは乳首を捻り、押し

つぶし、乱暴な愛撫を止めようとはしない。

 

「ここじゃ嫌だって・・・」

 

 カカシが強めにテンゾウの手を振り払おうとす

るも、テンゾウは更にカカシの中心へ右手を伸ば

す。

 

「テンゾウ・・・!止めろっ・・・」

 

 制止も聞かずテンゾウはカカシの中心を梳き上

げていく。

そして今度は湯で濡れた指を、性急に後腔に侵

入させてくる。

 

「ちょっと・・・」

 

明らかに乱暴で強引なテンゾウの態度にカカ

シは戸惑いながら、それでもテンゾウに触れられ

れば、反応してしまう身体を支えようと、無意識

で壁に手をつく。

 

 カカシの乳首を摘んでいた手を離し、テンゾウ

はシャワーの湯を止めた。後腔にはすぐ2本目の

指が入れられる。乱暴ながら、的確にカカシの

いいところを突き止める指の動きに膝もがくがく

となり、身体を支えるために壁に手を突き、腰を

突き出した姿勢となってしまう。

 

「止めろっていう割には、そんな誘うような格好

をして、指も2本あっという間に飲みこんで、随

分いやらしい身体ですね」

 

「何言って・・・・!」

 

 失礼な言葉にカカシが振りかえると、テンゾウ

は鋭い目線でカカシを睨み返した。

 

「誰でもいいんじゃないですか?セックス出来れ

ば、いるか先生でも、波風教授でも」

 

「何だよ、それ・・・」

 

カカシが次の言葉を発する前に、テンゾウのそ

そり立つものが半ば強引に挿入される。

 

「テン・・・く、うああ・・・・」

 

 足を支えられず崩れそうになるが、テンゾウに

両腰をがっしりと掴まれる。性急に動き始めたか

と思うと気遣うそぶりもなく乱暴に揺さぶられ、

カカシは両手を壁についたまま、その姿勢を保つ

のに精いっぱいとなる。

 

「あ・・・ああ・・・」

 

 カカシの堪え切れない声と肉を打つ音が浴室内

に響く。テンゾウはただ無言で、限界まで引き抜

き突き上げる動作を繰り返していく。

 

 

その1  その3