「冗談じゃなくて、隊長。俺たちとも、もっと仲良くしてくれたらどうですか?えこひいきしてないで。」
4人がカカシを取り囲むようにして、口々に話す。
「そうそう。若手ばかりかわいがりすぎ。」
「隊長なら、全部の部下に気を配ってくれなきゃ。」
4人はカカシを取り囲むように、そのままソファへ向かう。
「テンゾウ、俺たち隊長と話しするから。お前は部屋へ戻ってろ。」
ハセがテンゾウにむかって言った。
「ごめん、テンゾウ先に戻ってて。」
カカシもテンゾウに言ったが、テンゾウは動かなかった。
4人はテンゾウを無視して、カカシをソファに座らせ、話を続ける。
「さっきも言ったけど、俺たち隊長と、もっと、仲良くしたいんですよ。ま、皆ともね。」
「俺もそうして欲しいけど。」
カカシが返事する。
「でも、ここ退屈で、どうもイライラするんですよねえ。」
「ねえ、隊長。俺たちが気分良くなるように、ちょっと手伝ってもらえませんか。」
「手伝えって、何を?」
「はっきり言うとクノ一の代わりになってくれって事です。」
ハセが言う。
カカシが、ほとんど表情を変えずに言った。
「男の俺に何をさせたいんだ?」
「まあ、本番やらせろとは言わないけど。口もねえ、俺たち4人の中で、順番争いが起きるから、
手でいいですよ。手でね、気持ちよくなるように抜くのを手伝ってくれれば。」
それまで、黙って聞いていたテンゾウが近寄って来た。
「先輩、バカバカしい話に付き合うのは、もうやめましょう。」
「テンゾウには関係ないんだよ!俺たちは隊長と話してるんだ。」
ムロウが大声で怒鳴る。
ハセは無視してカカシに話しかけた。
「隊長、この勤務は後3週間もあるんだぜ。皆と、ミトやカタシとも仲良くしたいって俺たちは思ってるんだけど。
どうも向こうに嫌われてるようで、隊長がうまく間に入ってくれればねえ。」
カカシのいないところで、後の4人、中でも若い2人が嫌がらせを受けている事は、
カカシはわかっていたが、当人同士が否定する上に、
元々、処分の対象になる程の事はけしてせず、かえって性質が悪かった。
カカシが了承しなければ、嫌がらせを続けると暗に言っている。
「・・・男の俺に触られて、お前ら面白いのか?」
「あんた以外なら気持ち悪いだけだよ。でも天下のハタケカカシだったらねえ。」
「その顔がおかずになるって言っただろ。」
4人ともすでに笑っていなかった。カカシを見る目つきが、淫靡なものへと変化している。
テンゾウから怒気を通り越した、殺気があふれ出す。それでも言葉は静かに話した。
「先輩。もう、行きましょう。まともに聞く話じゃない。」
カカシはテンゾウを見たが、すぐに視線を外した。
そして小さく息を吐いてから、ハセ達に向かって言った。
「俺が、言うとおりにすれば、もっとチームワークをとるんだな。ミトとカタシにも辛くあたらず。」
「先輩。」
「今までも辛く当たったりしてませんけどね。ま、最大限、努力しますよ。隊長の協力があれば。」
「先輩。」
「わかった。」
「先輩!なに言ってるんですか?」
カカシはテンゾウの側に行った。
「テンゾウ、気にしないで、先に休んどけよ。今日は夜中任務だし。」
「先輩、どうしてそんなこと了解するんですか?」
テンゾウの殺気はどんどん強くなる。
ハセが勝ち誇ったようにテンゾウに言う。
「テンゾウ。分かってるか?。待機所で敵もいないのに、
忍術使ったら、処分されんのはお前と、管理責任のある隊長だぜ。
俺たちは任務違反をしたわけでも、任務をさぼってるわけでもない。
ただ、プライベートな時間に隊長にお願いしてるだけだ。俺たちとも、もっと仲良くして下さいってね。」